社内営業の「本当のコスト」を可視化する計算式|採用・人件費・管理費を全部入れると営業代行が割安になるケースとは
この記事でわかること(TL;DR)
- 社内営業担当1人の「真のコスト」を算出する計算式(年間500〜700万円が相場)
- 採用費・教育費・マネジメント工数など「見えないコスト」の正しい可視化方法
- 営業代行が割安になる条件と、社内採用が合理的なケースの見極め方
なぜ「社内のほうが安い」という判断が間違いやすいのか?
営業代行の費用を見て「高い」と感じる経営者は多い。月30〜50万円という数字だけ見ると、確かに社員1人の月給より高く見える。しかし、その比較は間違っている。
社員の給与は総コストの一部にすぎない。採用にかかった費用、研修・育成の時間、マネージャーの管理工数、試用期間中の生産性ロスを全部足したとき、初めて「真のコスト」が見えてくる。
社内営業担当1人の「真のコスト計算式」とは?
社内営業担当1人を雇うコストは、以下の5つの要素で構成される。
| コスト項目 | 相場(年間) | 備考 |
|---|---|---|
| 給与(額面) | 300〜420万円 | 月25〜35万円の正社員想定 |
| 社会保険・法定福利費 | 54〜76万円 | 給与の約18% |
| 賞与 | 60〜84万円 | 月給2〜3ヶ月分 |
| 採用費(初年度のみ) | 60〜120万円 | エージェント手数料または媒体費 |
| 教育・研修費 | 20〜50万円 | ツール・研修・マネジメント工数含む |
| マネジメント工数 | 30〜60万円 | 上司・管理職の時間コスト換算 |
| 合計(初年度) | 524〜810万円 | 即戦力になるまでのロスタイムは含まず |
さらに、入社後6ヶ月間は本来のパフォーマンスの30〜50%しか出ないという現実がある。新規開拓営業であれば、商談数がゼロから立ち上がるまでに3ヶ月以上かかることも珍しくない。
「見えないコスト」3つの落とし穴
ステップ1:採用コストの正確な計算
求人媒体やエージェントへの支払いは見えやすいが、見落としがちなのが「選考にかかった社内工数」だ。書類選考・面接・役員面談・オファー面談を含めると、採用担当者と面接官の時間コストは20〜40万円相当になる。採用費の総額は媒体費だけでなく、この内部コストも含めて計算する必要がある。
ステップ2:育成期間のロスタイムを金額換算する
入社後6ヶ月間、新人営業が生み出す成果は限定的だ。月給30万円の社員が半年で50%のパフォーマンスしか出せないとすると、90万円分の「機会損失」が発生している。この数字を採用コストに足すと、1人採用するたびに初年度だけで100万円以上の「見えないコスト」が積み上がる。
ステップ3:マネジメントコストを時給換算する
新人営業の管理には、週1回の1on1・日次の報連相・商談同行・スクリプト改善など、マネージャーや経営者の時間が毎週3〜5時間消費される。時給3,000円換算で年間50万円超。このコストは給与明細に出てこないため、多くの会社が見落としている。
営業代行が「割安」になる条件とは?
以下の条件が1つ以上あてはまる場合、営業代行のほうがコスト合理性が高い。
- 月20〜50件のアポを安定して確保したい(採用してもリソース不足になるケース)
- 商材・サービスの売り方がまだ確立されておらず、アポインター教育の時間が取れない
- 既存の営業担当が既存顧客対応で手一杯で、新規開拓に時間を割けない
- 12ヶ月後に採用費を回収できる見通しがない(採用後3ヶ月以内に活動を止めたいケースなど)
- 地方エリアや特定業界に特化したリスト架電を試したい(正社員では非効率)
社内採用が合理的なケース
一方で、以下の条件がそろうなら社内採用のほうが長期的に有利になる。
- 月1〜3件程度のアポで十分なビジネスモデル(高単価・長期契約が前提)
- 顧客との深い関係性構築が受注の決め手になる業種
- 3年以上の中長期で採用コストを回収できる事業計画がある
- 社内にマネージャーがいて、育成に時間を投資できる体制が整っている
コスト比較の実例(月50万円の営業代行 vs 正社員採用)
| 比較項目 | 営業代行(月50万円) | 正社員採用(月30万円) |
|---|---|---|
| 年間費用(表面) | 600万円 | 360万円 |
| 採用費(初年度) | 0円 | +90万円 |
| 社会保険・法定福利 | 0円 | +65万円 |
| 賞与 | 0円 | +70万円 |
| マネジメント工数 | 月2時間(業務報告確認) | 月15時間(育成・管理) |
| 初年度総コスト | 600万円 | 585〜650万円 |
| アポ獲得開始時期 | 契約後2週間〜 | 入社後3〜6ヶ月〜 |
このように、月30万円の社員を採用しても初年度の総コストは営業代行とほぼ同水準になる。さらに「即動ける」という観点では、営業代行のほうが圧倒的に早い。
よくある質問(FAQ)
Q. 営業代行は成果が出なくても費用を払い続けるのでは?
A. これは正しい懸念だが、正社員でも成果が出ない3〜6ヶ月間は同様にコストが発生する。営業代行のメリットは「成果が出なければ契約を止められる柔軟性」にある。正社員は解雇が困難なため、ミスマッチが発生したときのリスクは営業代行より高い。
Q. 社内にノウハウが蓄積されないのでは?
A. 優良な営業代行会社は週次・月次でアポトーク録音・断り文句・有効商談先リストなどを共有する。これを社内に蓄積する仕組みを最初から設計すれば、外注期間がそのままノウハウ蓄積期間になる。
Q. 営業代行と自社採用を同時に使うことはできるか?
A. むしろ推奨される組み合わせだ。営業代行でアポを安定供給しながら、商談クロージングは社内担当が行う「ハイブリッドモデル」は中小企業に最も適している。外注でノウハウを蓄積しながら、段階的に内製化移行する設計が現実的だ。
Q. 採用コスト以外に、正社員を持つリスクはあるか?
A. 離職リスクが最大の問題だ。営業担当が1人辞めると、採用コスト+育成コストが再度発生し、顧客ファイルや商談中案件が引き継ぎ困難になるケースも多い。業務委託や営業代行は解約・切り替えが容易なため、人材リスクを分散できる。
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